Day9 Others

きみの指に触れ

くちびるに触れ

時間が止まった

 

純愛の話かな、と思っていたら、歌詞はどんどんディープに進んでいく。

大人の恋愛で、きっとワケありの関係。

主人公が「僕」で、彼女の部屋に彼女の(おそらく本命の)彼の趣味のものが置いてある。

考えただけで胸が締め付けられそうになる。

フリーで良い子はたくさんいるはずなのに、なんで彼女に惹かれてしまうんだろう。

 

すごくよくわかる。

齢26歳で、軽々しくわかるなんて言うもんじゃないよ、とどこかから鋭くつっこまれるかもしれないが、似たような経験がある若い世代は多いと思う(根拠:自分調べ)

 

不倫だとか浮気だとか

遠い世界のように考えている人は本当に幸せなんだろう。

社会人になってある程度大きな会社に入社すると、結構身近にあることなんだな、と

軽くショックを受けたりする。

それが、まさか自分にも関係してくるなんて、正直予想だにしていなかった。

 

体から始まった関係。

一回きりのはずが、ズルズル続いて、お互いに離れがたくなって

なんども別れを切り出した。話し合いを重ねた。彼の彼女の存在がちらついて心が苦しくなった。

体がズタズタに切り裂かれるような痛みをなんどもなんども感じた。

 

だけど、一緒にいるときの楽しさとかベッドの上での刹那的に通じ合う心とか

幸せを感じる瞬間もあって、だんだん感覚が麻痺していた。

 

振り返ると、大した期間じゃなくても、その一瞬がずっと続くのもいいのかもと思うから

恋に落ちた途端、私たちは共犯者になった。

 

完全に別れたあと、これまでのどの恋愛よりも疲弊していた。

与え合っていたつもりが、私たちはただ、エネルギーを吸いあっていたんだと気付いた。

 

二年経った今でも、ふとあの頃を思い出して懐かしむことがある。

戻りたいとは思わないし、胸が痛むこともなくなった。

不思議と憎しみを感じたことは一度もなくて

私のことを愛してくれてありがとう。

そう思わせてくれるくらい、愛を感じさせてくれたことに

感謝さえある。

 

愛し愛されてたとしても

そう感じられるのは一瞬で

その一瞬をきみは僕に分けてくれた